櫻田宗久展 The Guruguru Diaries「Butterflies」
櫻田 宗久 展
The Guruguru Diaries「Butterflies」
2025年5月9日(金)– 5月21日(水)
Artbar星男
子供の頃、眠りにつく前によく、
自分の身体がふわりと廻り始めるような感覚を覚えた。
眠い目を見開いて天井を見上げると、本当に世界がぐるぐると廻っているようだった。
私はこの体験に「ぐるぐる」と名前をつけた。
ぐるぐるは毎晩訪れるものではなく、ときどきだった。
それでも私は、いつかまた廻りはじめる夜を、密かに心待ちにしていた。
大人になると、あの感覚はすっかり消え、私自身も、そんな記憶を引き出すことはなくなっていた。
そんな子供の頃、絵を描くことが好きだった。
しかし大人になるにつれて、いつの間にか描かなくなっていた。
理由はいろいろあるけれど、
「生活の中で絵を描く意味を見つけられなかった」
というのが一番大きかったように思う。
そんな中でも、電話中や考えごとをしているとき、何気なくペンを持つと、ノートの上に絵になる前のような「ぐるぐる」が広がっていた。
描いている時、思考が止まり、静かになる感覚があった。
もしかしたらこれも「絵」なのではないだろうか?
そう思ったとき、私はずっと絵を描き続けていたのかもしれない、と気づいた。
そして今回、ぐるぐるを描いていくうちに、いつの間にか「蝶」を描いていた。
どうして私は蝶を描いているのだろう?
この世とあの世を繋ぐようなその存在と、変容の姿に、私は惹かれているのかもしれない。
そして私は、あの子供の頃の体験を、ふと思い出した。
今回、父と母の故郷である北海道のアイヌの模様を調べていると、
このぐるぐる模様と近いものがあり、それは「モレウ」と呼ばれることを知った。
私は、勝手に不思議な繋がりを感じずにはいられなかった。
その意味には、
“渦を巻いて世界に漂う生命を、自らの内側に取り込む”
と記されていた。
⸻
蝶は廻りながら踊っていた。
その時、私は宙に浮かびながら廻り始め、
そして地球もまた、静かに廻っていた。
ぐるぐる ぐるぐる。
私たちは廻り続ける。
⸻櫻田宗久
初めての絵だけの展示です。
ぐるぐるの世界でお話しましょう!
ArtBAR星男
東京都新宿区新宿2丁目6-8 小沢ビル 1F
03-5379-6066
チャージ 800円 / ドリンク 700円〜
【バー】
• 月〜木・日曜:20:00〜2:00
• 金・土曜(祝前日):20:00〜5:00
【ランチ】
●喫茶と軽食 ロドス
• 月〜土曜:11:00〜17:00
●デリ山アカ(和洋折衷密プレート)
• 日曜:12:00〜16:00 L.O.15:30)
※フードのオーダーをお願い致します
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